講談社 (2005/09/06)

ハレの猫丸
ハレの猫丸
楽しい本だが、名手倉知淳にしては・・・・
おそらくこれが年内最後の読了作品。今年の新刊10冊読んだかどうだか分からないから困る。四六判を余り買わないので必然的に新書の新刊購入がメインとなるのだが、読みたいのは四六判の方が多いから更に困る。
これは短編集なんで各話について感想を述べていく。全体的に見れば日常の謎系統に含まれるのだろうけど、「その設定は日常と言えるのか?」と思えるので日常の謎というよりは殺人事件は起こらないけど不思議だったり変だったりするので、日常の謎とj一括りにするということはしたくない。書名に空論と付けている割には「おお、そうか」となるので空論というほど空ぶってはいない。全体的なやられた感は既存シリーズ作品の方が上な気もするけどそれは慣れてしまったからやもしれん。
それと各話のタイトルは既存作品のもじり。前作でもそんな感じだったんで、毎回これを考えるとなるとそれはそれで一苦労そうだなぁ。
水のそとの何か
なんか聞いたことあるようなタイトル。ということでググってみればシャーロット・マクラウドの『水のなかの何か』のようだ。読んだことない作家だったからわからん。
んで今回の謎は「なぜ毎朝ベランダにペットボトルが置かれるのか」。オチには物足りなかったけんども、美里さんには騙された。
とむらい自動車
元ネタはぱっと浮かばなかったけど東京創元社周辺で見覚えがあるということで調べてみれば大阪圭吉『とむらい機関車』。これも未読だ。買ってもいないけど。
謎は「なぜ続々とタクシーが同じ場所に呼ばれるのか」。「空論」だから許されるけど、実際にこのオチだったら難儀なことをするもんだ、と思った。
子ねこを救え!
元ネタさっぱりなのでググった。島田雅彦の『子供を救え!』らしい。最近島田雅彦から遠ざかっているからさっぱりだ。学生の頃しか読んでないしね。
今回は眼前に謎が提示されるわけではなく、「子ねこが虐待されているから救い出す」という話。先入観とか偏見は禁物ってな話でこれは頭働かせるわけでもなく展開が読めてしまったのでちょっとがっかり。メガネっこはいいですな。
な、なつのこ
この元ネタは有名どころなので一目瞭然。加納朋子『ななつのこ』。
謎は「なぜスイカが大量に割られたのか」なんだけど、謎を追っかけるというよりは会員たちのやりとりを楽しんでしまった。そのためオチがどうとかはさほど関係なし。最後のオチもお約束でこれはこれでよし。
魚か肉か食い物
これも元ネタはすぐに分かった。舞城王太郎『煙か土か食い物』。
謎は「なぜ大食漢の娘が敵前逃亡したか」。これはわからねーよ。そこまで注意深く読んでなかったということもあるけど。意外な真相ということで批判はしない。それに空論だし。
夜の猫丸
元ネタは北村薫『夜の蝉』R・D・ウィングフィールド 『夜のフロスト』で悩んだけど、前作のこともあるので『夜のフロスト』だろう。
書き下ろしでとってつけたやっつけ感が否めず。最後が気になりますが。八木沢も変な先輩持って大変だなぁ。
とまぁ、全体的に猫丸先輩大活躍で彼の言動追っかけるだけでも楽しいので、軽い読み物を読みたい人にはよいんじゃないでしょうか。読了後に欝になる人はあまりいないだろうので。明るい話見せ付けられると反動で欝になってしまう人とかは別ですが。
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あまりに見事 一分の隙もなし



