法月綸太郎の本格ミステリ・アンソロジー
法月 綸太郎
角川書店 (2005/10/25)
おすすめ度の平均: 4

4 まずはじめに、『仮題・中学殺人事件』の目次にならった章立てににんまり(^^)

中西智明作品が読めるということと、なるべく年内に年内刊行本を読もうということで読んだ本書。法月綸太郎がセレクトした短編・中編を合わせて12作収録。名前は知っている人から名前も知らない人までのラインナップ。読んだことある作家は EQ と中西智明だけだったりするから困るね。小泉八雲も西村京太郎も読んだことない。国文学科に進んだというのに小泉八雲読んでないのだよ。

収録作全編についてなんか書こうと思ったけど印象に残った作品について少々感想などをば。法月作品が本格寄りということ(個人的には直球タイプだと思う)と、書名に「本格ミステリ」を冠しているのでバリバリ本格かと連想させるけど直球は少ないような感じ。読書傾向は本格一辺倒というわけではないというのはこのミス海外篇のセレクトとかで知っていたのだけど、実際にこうして編纂されてみるとやはり変化球多め。

ウディ・アレン「ミスター・ビッグ」

通俗探偵小説的な出だしでありながら何やら哲学的な展開になり一気呵成のラストまで。なんだこりゃ? と不意打ち食らって鳩が豆鉄砲食らったような状態。そんな状態よくわからないんだけどね。書いてみたかった。
ちょいと前に読んだのが『ノヴァーリスの引用』と『神様ゲーム』だったんでそこらへんと交えて論じれればいいんだろうけど、今の読解力じゃ何も書けぬ。これが本格かと言われれば首を傾げてしまうけど、意外な被害者ということでよろしいんじゃないでしょうか。

ロナルド・A・ノックス「動機」

「十戒」の人、とい認識くらいしかなかったので作品読んだのはこれが始めて。痛快に騙された。確かに「眉につばをつけま章」だ。

エラリー・クイーン「ニック・ザ・ナイフ」

ラジオドラマで切り裂きジャックテーマ。やることがすごいね。作者の罠には引っかからなかったのだけど、この短さで各所に解決へのヒントがちりばめられおり、解決篇も切れ味よし。EQ の短編はいいねぇ。といいつつも未読の短編集が結構あるから困る。

中西智明「ひとりじゃ死ねない」

久々に読む中西作品なので(『消失!』しか読んでないけど)ここは素直に騙されよう、と思考せずに読み進めて騙された。長編第二作出るのかなぁ。作品よりも『消失!』出してから現在までどうしていたのかが気になって仕方が無い。あとがき読むといろいろこの作品にこめられていたんだなぁ、と思うもそこまで深読みしなかったのでなんともはや。

大平健『偽患者の経歴』

正直これが一番面白かった。フィクションじゃなくてノンフィクションなんだけど、謎解き的な要素もあるんだけど、患者の語る物語に引き込まれた。精神科医の内面も覗けてそれも興味深く大平健単独の本をなんか買いたくなった。んで昨日文庫が平積みになっていたんで買おうと思ったけど買わず。別の本買って重たかったからというだけなんで身軽な時に買いますよ。

とまぁ、要は読み易い作品が印象に残ったというような感じ。知らない作家に出会えるということでこの手の企画はいいかもしれんね。俺の場合は編者でこの本を取ったので編者は結構重要だ。このシリーズの北村薫、有栖川有栖両氏の方はまだ買っても読んでもおらんので。二人とも嫌いじゃないんだけど二人の作品というわけではないので優先度低いわけですよ。古本屋で見かけたら買おう。

Popularity: 24%

No Writebacks »

No Writebacks yet.

Leave a comment


RSS feed for comments on this post.
Trackback URI : http://wp.luac.net/items/424/trackback/