麦の海に沈む果実
麦の海に沈む果実
posted with amazlet on 05.11.09
恩田 陸
講談社 (2004/01)
売り上げランキング: 1,782
おすすめ度の平均: 4.46

5 謎が謎呼ぶ謎の学園
5 悲しくも美しいものがたり
5 陸ワールドを満喫するならこの作品とあちこちに散らばる短編を読破しよう

1ヶ月くらいかけて読んだような気がする。

期待していたものとは異なったけど「閉鎖空間」「学園」「女の子視点」と俺の心を掴むキーワードだったので楽しめた。俺の期待していたのは『三月は深き紅の淵を』的なメタフィクション。解説で笠井潔が熱弁しているようにあの作品はメタレベルのウロボロス的循環により読者に眩暈感を与え、それが解消されないままに終わる。その一部から抽出拡大された物語がこの『海の海に沈む果実』だと期待していたのだ。即ちメタフィクション。

こちらが勝手に期待したのが悪いのであって、この作品を貶める要因にはならない。先にこちらを読んで『三月』読めば良かったかなぁと思うも、『三月』はメフィスト連載時点から読んでいたのでそれも適うわけもなく。

『麦』は広義の意味ではミステリだけど、ガチガチのミステリというわけではない。不思議な学園の不思議な物語。冒頭で理瀬も言っていたように正しく「トランクを取り戻すまでの物語」だ。トランクの意味するところ、詩「麦の海に沈む果実」の意味も分からなかったが、分からないという理解でもいいだろう。俺は雰囲気で楽しめた。自身には起こりえない(そして起こらなかった)閉鎖的な学園生活。読者が体験できなかいことを疑似体験してこそのフィクションだ。

とまれ関連作品っぽい『黒と茶の幻想』も気になるね。

Popularity: 41%

1 Writeback »

  1. 麦の海に沈む果実…

    Said by 恩田陸を読む June 2, 2006 at about 16:32

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